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私たちが目指すもの

家は暮らしの器です。その中で丁寧な暮らしがなされることで家はいきいきとしてきます。しかし、暮らしの場は決して家の中だけで完結するものでもありません。「家庭」という言葉が「家」と「庭」との2文字で表現されるように、日々の暮らしに庭があることで身近に自然を感じ、変化に富んだ居場所を家と共に築くことができるのです。私たちは「家」と「庭」を一体として考え次のことを大切に暮らしの設計をしています。

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構造

柱や梁、筋交いといった家を支える重要な部材は、人間の体でいう骨にあたります。丈夫な骨をできるだけシンプルにバランスよく組み上げて作る家は、力の伝達がスムーズで、地震や強風に耐える頑丈な家になります。丈夫で頼りがいのある家とすることで、安心して暮らせるようにしたいと考えています。

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暑さと寒さ

快適で健康な暮らしを送るためには、季節に応じた温度や湿度の調節が大切です。できるだけ自然の力を利用しながら室内を快適に整え、それを補助する形で冷暖房器具を使うのが理想的です。家全体の断熱性能を上げ、日当たりや風通しを工夫することで、冬暖かく夏涼しい家とすることを基本に考えています。

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素材

手あるいは目に触れる素材はできるだけ自然のものが良いと思います。特に長い時間を過ごす室内を自然素材とすることで、年を経るごとに味わいが増し、落ち着いた雰囲気になります。昔から使われている当たり前の自然素材を当たり前に使いたいと考えています。

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家具 

家具は体に触れる機会が最も多く、その手触りや座り心地、使い心地は暮らしに大きく影響します。暮らしに合わせてしつらえた家具は使う人の体にも、空間にもすっきりと馴染みます。家具は暮らしを考える上で切り離すことができない大切な要素と考え、家の計画と一緒にご提案させていただいています。

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収納

『もの』は暮らしを豊かにする手助けのためにあります。しかし、『もの』が増えすぎると部屋を占拠しはじめ、暮らしを豊かにするはずの『もの』に苦しめられることになります。人の暮らしにおいて『もの』はあくまでも脇役で、主役は『ひと』なのです。納戸や小屋裏収納などの大きな収納と、作り付けの収納をバランスよく計画することで、『ひと』と『もの』が正しい関係性を保って暮らせる家となるように考えています。

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外観 

家は一度建てると永くその場所に在り続け、地域の風景の一部となります。そのため外観は自然と周囲の景色に溶け込む形がよいと考えます。気候や風土、周辺環境を読み取り、その土地にふさわしいかたちを模索していきます。家は「私的」なものであると同時に、地域の風景を作る「公的」なものでもあるのです。住まい手だけではなく、地域の人にも共感してもらえるようなたたずまいにすることを意識しながら設計しています。

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雑木の庭

庭は小さくても季節感や風景をつくりだすことができる雑木の庭を基本に考えています。庭と室内がつながることで、日々の暮らしに多様な変化がうまれ、その恩恵を受けることができます。春は新緑が青く、夏には木陰を、秋には紅葉や果実が色づき、冬には陽だまりをつくります。そこには小さな生き物がおとずれ、多様な環境をつくり、目や心を楽しませてくれるでしょう。庭は小さな自然です。自然を身近に感じることで人間もまた自然の一部であり、その中で生活していることが実感でき、暮らしにいろどりが添えられると考えています。

シンプルな空間を自然の材料でていねいにつみあげていく。そうしてできた家は必要な機能を満たすことで、楽しく便利に暮らすことができ、永く愛着がもてるものとなるでしょう。また家と庭が一体となった風景は町並みをつくり、住人だけでなく、そこに住む町の人にも受け入れられる環境になることと思います。例えばその土地に馴染んだ家や庭の風景が、日々通りを行き交う人々の気持ちを和やかにすることがあるかもしれません。そうした家とするためには設計者が住環境を整えるだけでは実現できません。そこに住む人が家を大切に育てていくことが必要になってきます。日々の丁寧な暮らしが家を大切にすることにつながり、やがて家はその土地に根付き、多くの人に受け入れられるようになると考えます。

 

私たちはこのような様々な人の思いを受けて育っていくような家を目指して設計に取り組んでいます。設計者と住人が共感をもって、一緒に暮らしについて考え 、取り組んでいくことができれば家づくりはきっと楽しいものになることでしょう。ぜひ家づくりをこれから考えられている皆様とご一緒できる機会があることを楽しみにお待ちしております。

ともにつくる

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